2017年3月22日水曜日

ネガポジと縁のあるミュージシャンのライブを立て続けに見た。今回はGROUPエンペラーめだか@西院フェスについて書く。

ギターのまさとしです。

ここのところセンテンスがすごくお世話になっている西院のライブハウスネガポジ。音楽をしながらもこの場所を切り盛りしている3組のミュージシャンのライブを立て続けに見る機会があり、そのことについて書いてみたいなと思っています。

・GROUPエンペラーめだか
・渚のベートーベンズ
・一文字風平さん

ネガポジという場所が心地よいことと、彼らのライブがよかったこととは関係があると思います。

で、書き始めたのですが結構な長さになりそうなので、1組ずつ区切って書くことにします。
今回はGROUPエンペラーめだかについて。





春の西院フェスを初めて見たので、普段のライブとはちょっと違う独特の雰囲気があった。
仕事で少し遅刻してしまい、おそらく2曲目を演奏する直前くらいに到着した。

GROUPエンペラーめだか(以下、エンペラーめだか)のライブを見るのは2回目。

(1回目のことは内田修人「ばくはつ」/GROUPエンペラーめだか「夢見るエンパイア」を聴いて。弱さから生まれた強さの話へ。で書いています。よろしければこちらもご覧いただけたら嬉しいです。)

前回のライブより二人の物理的な距離が離れていて、ステージ上方に「NASHVILLE」の看板が光っていて、緊張感がある舞台だと感じた。

今回はすでに音源「夢見るエンパイア」を聴き込んでいるので、曲の芯を掴みやすかった。好きなミュージシャンの音源を買って聴く、というのはそのミュージシャンのライブを楽しむために必要なことやな、と改めて思う。

エンペラーめだかの音楽は結構即興性が高いと思う。

ボーカルギターのしゅうさん(メンバー名はエンペラーめだかやけど僕はこう呼んでいる)のギターは「純粋な音」で、「曲に対して純粋」なギター、という印象を前回より強く持った。
曲の芯の部分というのはシンプルで、そこに対して有機的というか身体的というか、その場で気持ちいい音を全力で加えまくっていく感じ。
まっすぐな幹と必要最小限の枝に数え切れない小さな花が満開、というイメージ。

畑をやっていて思うけど、植物の成長の仕方には傾向はあっても模倣はなくて、毎回違う。隣り合っているオクラの伸び方は一つ一つ違う。
有機的な発展に触れると心地いい。

エンパラーめだかの音楽はそういうスリリングさと心地よさがある。

ドラム&その他のN.S.G.さんのドラムは前回もいいなと思ったけど今回もっとよかった。
僕はドラムが叩けないし知識もほぼないが、いいな、と思う基準みたいなものは実はギタリストに対してよりもはっきりとある気がする。
僕がリズムというものに対してそもそも興味があることと、打撃音が好きだということに関係があると思う。

N.S.G.さんはドラムを叩きながら身体が飛び跳ねているように見える。踊っているというか。その姿に見入ってしまう。

昔身体表現家の方とギターでセッションした時に、「ミュージシャンの動きって面白い」と言われたことを思い出す。
その言葉の真意はわからないけど、僕の解釈では、ミュージシャンの動きは音を鳴らすための動きであって、動きのための動きではない、ということなんじゃないかなと思っている。

逆に、身体表現家が僕のギターに突然触れてきて鳴らす音は、僕には鳴らせない音だった。

話が逸れたけど、N.S.G.さんのドラムは全身がドラムを叩くために跳ね回っているようで、その動きのリズムがスティックを通して音になっている。身体のリズムありきの音、というのは、物理的な全てのドラマーに言えると思うけど、身体とスティック、太鼓の連続性の純度が高いドラマーという意味で僕はN.S.G.さんのドラムがものすごくいいな、と思う。

しゅうさんのギターがそのリズム上で音程的にも音量的にも音色的にも暴れまわっていて、ありふれた言い方をするとグルーヴを生んでいる。
でも、僕はエンペラーめだかの曲の中ではクリーンなギターの部分が特に好きで、それはしゅうさんの歌がよりはっきりと聴こえるから。

エンペラーめだかの歌は、曲によってはかなりメロディーの上下が激しい。そこに必死に正面からくらいついていこうとするしゅうさんの姿と声は美しいと感じる。

僕が好きなバンドの一つにフジファブリックがあって、亡くなった志村正彦さんという方が初代ボーカリストだった。
僕は彼がすごく好きで、しゅうさんと共通するものを感じる。

フジファブリック「セレナーデ」
どれか一つを選ぶことができないくらい好きやけど、何となく、今聴きたい曲を。

しゅうさんや志村さん曲の作り方を全く知らんけど、歌いやすいメロディーを作る人もいるとすれば、この2人は多分そうじゃなくて、曲が必要としているメロディーを作る人なんじゃないかと勝手に思っている。
そして曲に挑戦していく人。

朗々と、楽々と歌い上げる歌もいいのかもしれないけど、少なくとも今の僕はそういうものよりも、口を開けながら奥歯を噛み締めているような、笑いながら泣いているような、そういう歌に惹かれる。

GROUPエンペラーめだか「夜のこうかい」(映像は西院フェスのものではありません)
中間で即興が続き、10分少し手前あたりでまた歌が入ります。
ぜひ通して聴いて欲しいです。

しゅうさんの歌は N.S.G.さんの跳ねるドラムと自身の振り幅大きく揺れ動くギターの合間を縫って、優しく丁寧にヒリヒリと届いてくる。
この歌がエンペラーめだかの種を僕の身体に植え付ける働きをしていると思う。

歌は言葉を扱う以上意味を伴っている。それを音の力を借りて人と共有するためのものだとしたら、それは植物が自分の遺伝子=思想を他の生物と共有しながら世界を構築することと似ているなと思う。

しゅうさんの歌はエンペラーめだかの種を、僕に植え付けてくれたから、僕はセンテンスを世界に向けて植え付けていきたい。


渚のベートーベンズと

一文字風平さん


については次回書きます〜。


〜センテンス3月のライブ予定〜

3月26日(日)
【maruocafe】
maruocafe×music×gallery Cafe Slow Osakaにて。 start 18:00 和製ケビン 一山楓 センテンス and more...

ライブチケットはカレー付きで1500円。 12時からカフェスペースでカレーやケーキなどを召し上がっていただけます。雑貨販売もあります。(チケット不要)

3月27日(月)
扇町para-diceにて。
open 18:30 start 19:00
吉見拓哉とつゆ知らず 
ザ・プレジデンツ
センテンス
ザ☆ツイてるズ
No.305

前売り・当日共にチケット1200円です。